明治時代から受け継がれる「泉郷獅子舞」

歴史ある獅子舞「泉郷獅子舞」の由来

明治30年ごろ、富山から北海道に開拓に入った人たちが、五穀豊穣や安全祈願をするために踊った舞が、今に残る泉郷獅子舞のルーツといわれています。
この泉郷獅子舞は北海道千歳市の民族芸能無形文化財第一号に指定されたもので、すでに100年以上という歴史を持つ伝統的な舞です。

先人たちはこの伝統的な舞を奉納し続け、現代に受け継いできました。
現在も五穀豊穣、家内安全を祈願し、毎年舞が奉納されています。

千歳市にある泉郷はもともと原野だった

北海道の千歳市内から車で15分くらい北東に走ると農村地帯となっている泉郷に到着します。
昔この辺りは原野で、明治20年くらいから開拓がはじまったことで、開拓民がたくさん入植しました。
この中に、富山県からの入植者がいたことで、泉郷獅子舞が始まったのが明示29年くらいといわれています。

北海道の厳冬の中、凍った大地を開拓していくのは苦労の連続だったと想像できます。
その中で獅子舞を舞い、開拓した大地の五穀豊穣を願い、開拓民として入植した1件1件を励ましてまわったのでしょう。
こうした歴史ある伝統文化を農村地帯で継承するのは、人材的にも大変だと思いますが、泉郷獅子舞保存会には若い世代も多く、しっかりと伝統が受け継がれているのです。

泉郷獅子舞は神社への奉納の舞で始まる

泉郷獅子舞は例年9月に行われ、神社での奉納の舞から始まり、地区内にある家々の戸口で舞います。
笛や太鼓が鳴り響く中で獅子が舞い踊り、花持ちを含め15名で踊る祭りは、開拓当時から続く伝統の舞です。

獅子は砺波型、1頭立てで作られており、獅子の胴幕の中は2列となっています。
頭を含めると9名もの人が中に入り獅子を操作するのです。
演目ごとに1人、獅子取り棒を持ちますが、天狗舞を踊るときには獅子取り棒ではなく、手に槍をもって舞います。
舞の曲は七五三、八五三、天狗の舞で、天狗の舞は七五三などから泉郷獅子舞独自で作り出した曲です。

天狗の舞は天狗の面をかぶり、槍を持った踊り手が獅子を相手に舞を舞うもので、天狗の面をかぶりながらも槍を起用に使い、獅子と対峙する様が勇壮といわれています。
最後に天狗は獅子を打ち破りますが、泉郷獅子舞の中でもこの舞は独自の舞として人気です。

泉郷は千歳市民自慢の伝統的な舞

千歳市は遺跡が多く、北海道内でも4番目に遺跡が多いエリアとして知られています。
遺跡の数は280にもなり、またこうした遺跡とともに大切にされてきたのが文化財です。

千歳市にはキウス周堤墓群をはじめ6件の国指定文化財があり、市指定文化財も6件あります。
この中の一つが開拓の時代から続く伝統的な舞、泉郷獅子舞です。
千歳市民自慢の伝統的な舞は、見るものを圧倒します。

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