真狩別太から狩太、狩太からニセコへ
ニセコ町は北海道の南西部に位置する町で、観光地としても非常に有名です。
特に冬季にはスキーやスノーボードで多くの観光客が訪れます。
この地域は、かつては「狩太(かりぶと)町」という名前で呼ばれていました。
その由来を探るには、まずニセコ町の歴史をざっと振り返ってみましょう。
ニセコ町の歴史は、1897年に虻田村から分村して設立された真狩村に始まります。
真狩村は、その後何度か分村や改称を経て、現在に至っています。
真狩村から分村した地域には、狩太村(1901年)、喜茂別村(1917年)、真狩別村(1922年)などがありました。
狩太村の名前は、真狩別太という村内の地名から取られました。
真狩別太はニセコ地域の通称字名であり、この名前から2字を取って「狩太」と名付けられたのです。
役場もこの真狩別太に設置されます。
1950年には、狩太村が町制を施行し「狩太町」となりました。
そして、1964年には、狩太町が「ニセコ町」に改称され現在に至ります。
国定公園と町名の関係
ニセコ町の名前と「ニセコ・積丹・小樽海岸国定公園」との関係は密接です。
この国定公園は、北海道の南西部に位置する多様な自然環境を有する公園です。
この公園は大きく3つのエリアに分けられます。
小樽海岸エリア、積丹エリア、そして、ニセコエリアです。
小樽海岸エリアは小樽市に近く、海岸線と丘陵地が織りなす美しい風景が魅力です。
特に、夕暮れ時の景色は多くの人を魅了します。
積丹エリアは海岸線が美しいエリアで、マリンスポーツや海水浴、釣りなど海に関するアクティビティが豊富です。
特に、積丹ブルーと呼ばれる美しい海は見る人を惹きつけてやみません。
そして、ニセコエリアですが、この地域は特に山岳信仰やアウトドアスポーツで有名です。
ニセコアンヌプリは、スキーやスノーボード愛好者にとって冬季の名所であり、夏季には登山やハイキングが楽しめます。
温泉地も点在しており、四季折々の自然を楽しみながらリラックスすることができます。
1963年にニセコの一帯も国定公園に指定されましたが、その際、地域の発展と観光促進のために、町の名前をより広く知られている「ニセコ」に変更する動きがありました。
遅れて駅名も「ニセコ駅」へと改名
しかし、当時の町名はまだ狩太町であり、町名と同じ名前を駅名とする当時の国鉄の方針とは相容れませんでした。
それゆえすぐに駅名を変更とはいかず、まず町名を変更することから着手します。
その結果、地域住民と行政は町名自体を「ニセコ町」に変更することで合意し、1964年に正式に改名されたのでした。
この改名により、町名と国定公園の名前が一致する形となり、観光地としての認知度が高まるとともに地域の発展にも寄与することになったのです。