ニッカウヰスキー余市蒸溜所の歴史

小樽市の西に位置する余市町は、山と海に囲まれた自然の豊かな町です。
さくらんぼやリンゴなどのフルーツ、余市港で獲れる魚介類など、山と海の幸に恵まれています。

そんな余市町にあるのがニッカウヰスキーの蒸留所です。
実はこの町はニッカウヰスキーを創業した竹鶴政孝が、本格的なウイスキーを作るために最初に蒸溜所を開いた場所として知られています。
竹鶴政孝といえば、NHKのテレビ小説『マッサン』のモデルとなった人物ですが、ドラマでは余市町も実際のロケ地として使用されました。

竹鶴政孝といえば、スコットランドで日本人として初めてスコッチウイスキーを本格的に学んだ人物です。
なぜその彼が余市町を蒸留所の場所として選んだかというと、この地がスコットランドの気候と自然によく似ていたからと言われています。

実際、余市町は日本海に面していることもあって、年間を通じて海風が吹き、気温・湿度ともに一定に保たれています。
ウイスキー作りに必須のきれいな水も豊富にあって、スコッチウイスキーにはぴったりの土地なのです。
ニッカウヰスキー余市蒸留所は、そんな竹鶴政孝が1934年に開設しました。
その当時の歴史を感じさせる建物が今も残っています。

ニッカウヰスキー余市蒸留所の魅力

お酒好きの方にとって何よりの魅力は、ニッカウヰスキー余市蒸留所ではウイスキーをタダで試飲できることでしょう。
ガイドツアーではもちろん試飲がセットになっていますし、自由に見学するだけでも「シングルモルト余市」を無料で試飲できるようになっています。

ただせっかくここまで来たのなら、ウイスキー1杯だけでなくランチのコースで召し上がることをおすすめします。
ガイドツアーとのセットで予約するコースですが、北海道の食と蒸溜所で作っている3種類のウイスキーが楽しめる内容です。

ウイスキーに詳しい方ならご存じのように、ウイスキーは熟成年数や銘柄によって微妙に香りや色合いが異なっています。
3種類のウイスキーで、その違いを自分の目と舌で確かめてみてください。
ウイスキーをストレートで何種類も飲み比べる機会はなかなかありませんから、お酒好きの人には外せない魅力です。

ニッカウヰスキー余市蒸留所の見どころ

施設内にはウイスキーの蒸留所だけでなく、さまざまな見どころがあります。
マッサンのモデルとなった竹鶴政孝とその妻エリーのモデルとなったリタ夫人が実際に暮らしていた旧竹鶴邸もその一つです。
以前は郊外にありましたが、2002年に移築されて当時の姿が再現されています。
スコットランド人のリタ夫人への配慮から、建物は和洋折衷です。
なお、館内の見学は無料です。

また、リタ夫人の愛称が付けられた「リタハウス」も一つの見どころです。
こちらはウイスキーの研究室として使われていた建物で、国登録有形文化財にもなっています。